標高データ (SRTM)の表示、植生指数 (NDVI) の3次元表示
ここでは、GRASSというGISソフトウェアを使った簡単な演習を説明しています。GRASSではリモートセンシング画像も表示、処理できます。このページは、GRASSのGUIでの操作を説明していきます。
[GRASSのインストール、標高データを用いた地滑り危険度マップの作成]
[植生指数 (NDVI) の計算、表示]
[標高データ (SRTM)の表示、植生指数 (NDVI) の3次元表示]
[反射率、輝度温度、標高データを用いた土地被覆分類]
[QGIS, Rを用いた公示地価データの空間統計分析:空間的自己回帰モデル]
[QGIS, Rを用いた公示地価データの空間統計分析:静的な時空間モデリング]
標高データ(SRTM)用のディレクトリの設定
上記で作成したNDVI画像に対し、標高データを与えて3次元表示する。今回は、Shuttle Radar Topography Mission (SRTM)というNASAが公開している標高データを利用する。まずは、GRASSを一旦終了し、再起動させ、新たなディレトクリを作成していく。上記のLandsat ETM画像のUTM投影法とは異なり、
- データベースとロケーションの指定:
GISデータディレクトリ: C:\GRASS_data
プロジェクトロケーション:latlon(任意の名前で構わない)
Location Title: PERMANENT
「デフォルト領域と解像度をセット」のボックスにはチェックを入れない。
- 新しいロケーションの作成方法を選択
EPSG (European Petroleum Survey Group) コードを指定
→ EPSGコード:4326(WGS84)を入力
使用する標高データ
標高データのインポート
「ファイル」→ 「ラスターデータのインポート」
→ 「SRTM HGTインポート [r.in.srtm]」
現れた画面上で下記のように、入力画像を指定してインポートする。
[入力項目]
-
Name of SRTM input file : N34E134.hgt
(同様に繰り返す)
-
Name of SRTM input file : N34E135.hgt
-
Name of SRTM input file : N34E136.hgt
-
Name of SRTM input file : N35E134.hgt
-
Name of SRTM input file : N35E135.hgt
-
Name of SRTM input file : N35E136.hgt
正しくインポートできたか、表示して確認する。
「Layer Manager」という画面:
「データ」というタブを開く
「latlon」→ 「PERMANENT」→ 「raster」→ 「N34E134」をダブルクリック
異なる範囲の複数の画像の合成(モザイク合成)
上記の標高データを接合するモザイク処理を行う。その前に範囲を指定する。
「設定」→「Computataional region」→「領域設定 [g.region]」
[入力項目]
-
「境界」
→ 北端の値: 36
→ 南端の値: 34
→ 東端の値: 136
→ 西端の値: 134
-
「解像度」→ 「2D grid resolution」: (例えば)0.0008
次に、モザイク処理を行う。
「ラスター」→「ラスターマップカリキュレータ」→「ラスターマップカリキュレータ [r.mapcalc]」
[入力項目]
-
出力:area1
-
式:if(isnull(N34E134), -1, N34E134)
(同様に繰り返す)
-
出力:area2
-
式:
if(isnull(N34E135), -1, N34E135)
-
出力:area3
-
式:
if(isnull(N35E134), -1, N35E134)
-
出力:area4
-
式:
if(isnull(N35E135), -1, N35E135)
-
出力:areas
-
式:
max(area1, area2, area3, area4)
この処理後に、GRASSに既に用意された、SRTMに対応したカラーテーブルを適用する。
色付けの変更:
「ラスター」→「カラー調整」→「カラーテーブル r.colors」
[入力項目]
-
「Map」→ Name of raster map(s):areas
-
「Define」→ 「Name of color table」:「srtm」を選択
この時点で得られるSRTM画像を下記に示す(クリックすると拡大画像が表示される)。
座標系の変換:ETM+画像をUTM座標系から等経緯度座標系へ
「ラスター」→「ラスターマップの作成」→「Reprojection raster map from different GRASS location [r.proj]」
[入力項目]
-
「Source」→「指定したベクトルマップを含むロケーション」: ETM(NDVIを作成したロケーション)
-
「Source」→「指定したベクトルマップを含むマップセット」: PERMANENT
-
「Source」→「再投影するラスターマップ名」: ndvi
-
「エリア」→「Name for outpu raster map」: ndvi_latlon
この処理を実行してから、「Layer Manager」の画面下にある「データ」タブをクリックすると、上記の「ndvi_latlon」が生成されていることが確認できる。それをダブルクリックすれば、「レイヤー」のタブに「ndvi_latlon」が追加される。
3次元表示:鳥瞰図作成
「ファイル」→ 「3Dイメージのレンダリング [m.nviz.image]」
現れた画面上で下記のように指定する。
注意:出力ファイルをPERMANENTの下のrasterの中で指定すると、出力エラーになることがある。その場合には、PERMANENTの下に指定するようにすると正しく出力される。
[入力項目]
-
「曲面」→「標高のラスターマップ名」: areas
-
「曲面」→「色のラスターマップ名」: ndvi_latlon
-
「視点」→「視点位置」: 0.2, 0.8 (適宜、自分で変更してみよう)
-
「画像」→「出力ファイル名」: C:\GRASS_data\latlon\PERMANENT\ndvi_latlon_3D
-
「画像」→「グラフィックファイルフォーマット」: tif
最終的に得られる鳥瞰図の一例を下記に示す。高さはSRTMの標高データを表し、表面の色はNDVIの値を表している。NDVI画像の範囲が限られているため、NDVI画像が無い地域は表面が灰色で示されている。
[GRASSのインストール、標高データを用いた地滑り危険度マップの作成]
[植生指数 (NDVI) の計算、表示]
[標高データ (SRTM)の表示、植生指数 (NDVI) の3次元表示]
[反射率、輝度温度、標高データを用いた土地被覆分類]
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須ア純一 京都大学大学院 工学研究科社会基盤工学専攻 空間情報学講座