GRASSのインストール、標高データを用いた地滑り危険度マップの作成

ここでは、GRASSというGISソフトウェアを使った簡単な演習を説明しています。GRASSではリモートセンシング画像も表示、処理できます。このページは、GRASSのGUIでの操作を説明していきます。

    演習内容:
  1. GRASSのインストール、標高データを用いた地滑り危険度マップの作成
  2. 反射率、輝度温度、標高データを用いた土地被覆分類
  3. QGIS, Rを用いた公示地価データの空間統計分析

2016/04/21追記:演習1の参考となるWebページ

GRASS GIS 7 クィックスタート

GRASSのインストール

QGISとセットになったGRASSのインストーラーをダウンロードします。

  1. インストーラーのダウンロード:download.osgeo.org/osgeo4w/osgeo4w-setup.exeより
  2. osgeo4w-setup.exeの起動:インストールに必要なファイルのダウンロード
    osgeo4w-setup.exeをダブルクリック → 「Download Without Installing」 → 保存先の指定 → ミラーサイトの指定
  3. (ダウンロード終了後)osgeo4w-setup.exeの起動:インストール
    osgeo4w-setup.exeをダブルクリック → 「Install from Local Directory」 → インストールディレクトリの指定 → ダウンロードしたファイルのディレクトリの指定 → インストールするパッケージの指定(分からなければ「Install」を選択して、全てをインストールする)

GRASSの起動と設定

GRASSのアイコンをダブルクリックすれば起動します。

GRASS起動後

  1. GRASS GIS database directoryの指定:

    データを保存するディレトクリ(フォルダ)を指定。任意の場所で構わないが、スペースなしの英語名のディレトクリを指定する必要がある。一例を下記に示す。

    C:\GRASS_data
    
  2. データベースとロケーションの指定:
    GISデータディレクトリ:   C:\GRASS_data
    プロジェクトロケーション:DEM
    Location Title:          PERMANENT
    
  3. 新しいロケーションの作成方法を選択
  4. 「ロケーション<DEM>が作成されました デフォルト領域と解像度をセットしますか?」と尋ねられるが、「いいえ」ボタンを押す。その後、「マップセットを作成するか?」とも尋ねられるが、こちらもキャンセルする。すると、GRASSの画面が表示される。

標高データの入手

  1. 国土地理院 基盤地図情報ダウンロードサービス
    http://fgd.gsi.go.jp/download/からログイン(登録が必要)
  2. 「基盤地図情報数値標高モデル:JPGIS(GML)形式」→「10mメッシュ」を選択。下記の番号のいずれかを選択し、データ(zipファイル)をダウンロードする(班によって異なる)。
  3. 国土地理院 基盤地図情報数値標高モデル 範囲選択メッシュ番号を選択する画面

    参考:

QGISを使ったGeotiff画像への変換

上記の数値標高モデル10 mメッシュデータをGRASSで使えるようにする方法の一つが、GeoTIFF画像に変換する方法です。

  1. fgddemImporter (QGISプラグイン)のダウンロード
    https://dl.dropboxusercontent.com/u/21526091/qgis-plugins/plugins.xml
  2. QGIS上での変換:詳細は 「fgddemImporter プラグイン」 というWebページに記載されています。
    1. fgddemImporterフォルダをQGISのプラグインフォルダ(ユーザフォルダ/.qgis2/python/plugins)にコピー。
    2. QGIS Desktop(QGIS Browserではない)を起動し、「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」→「fgddemImporter」にチェックを入れる。
    3. 「プラグイン」→「基盤情報DEMインポータ」でダウンロードしたZIPファイルを指定し、インポートする。この結果、GeoTIFF画像が生成される。
  3. QGIS上での標高データのインポートQGIS上で標高データをインポートして、GeoTIFF画像が生成された様子。

  4. GeoTIFF画像の移動
    GRASSのデータ用のフォルダへ移動します。上記の例では、下記のフォルダへ移動します。
    C:\GRASS_data\DEM\PERMANENT
    
  5. 注意:523535のメッシュを選択すると、この時点で「FG-GML-5235-35-DEM10B.tif」というGeoTIFF画像が生成されています。ハイフンがついた名前だとGRASSで処理できませんので、「dem.tif」等、ハイフンがつかない分かりやすい名前に変更して下さい。以下では、「dem.tif」という名前に変更されたという前提で話を進めていきます。

標高画像ファイルのインポートと表示

  1. 画像ファイルのインポート:

    注意:既に「dem」という名前でインポートしている場合には、「既存のファイルに上書きする」をチェックしましょう。

  2. 範囲の設定:画像ファイルの範囲をデフォルト領域に設定する
    [入力項目]
    • 「既存領域」→ Set region to match raster map(s): dem@PERMANENT
    • 「出力」→ 「現在の領域を表示」をチェック

    注意:この範囲設定を正しく行わないと、領域の範囲が行方向(column)に1画素、列方向(row)に1画素しか存在しない設定になっているため、以下のエッジ抽出等が実行できません。

  3. カラーテーブルの設定
    [入力項目]
    • 「Map」→ Name of raster map(s): dem@PERMANENT
    • 「Define」→ Name of color table: elevation

この処理が終わると、このが表示されます。

地形解析

  1. エッジ抽出(水平方向に続くエッジ):
  2. 処理後の画像

  3. エッジ抽出(鉛直方向に続くエッジ):
  4. 処理後の画像

  5. 勾配の計算1:上記のedgeHとedgeVの両者から勾配を計算
  6. 処理後の画像

  7. 勾配の計算2:GRASSの機能を利用
  8. 処理後の画像(勾配), (方位)

  9. 陰影起伏図
  10. 処理後の画像
    [太陽高度45°、東から45度の方向角)][(太陽高度45°、東から90度の方向角)]

流域地形解析

  1. 流下方向の計算:最も急な下り勾配の方向を決定。1〜8の値が生成され、45を掛けると、東方向から反時計回りの方向角になる(0の場合は勾配なし)。
  2. 累積ピクセル数の計算:当該ピクセルに流れ込むピクセル数を計算。
  3. stream networkの抽出:累積ピクセル数が一定の閾値より大きいピクセルを取り出して、stream networkを生成
  4. basinの抽出:各streamセグメントに対し、basinを抽出し、番号を付与する。
  5. 処理後の画像
    [流下方向] [累積ピクセル数] [stream network] [basin]

  6. stream networkのラスター画像をベクターファイルに変換
  7. ラスター → マップタイプの変換 → 「ラスター→ベクター」 [r.to.vect]
  8. [入力項目]

    処理後の画像
    [stream network(ベクター)]
    [stream network(ベクター)をDEM画像に重ね合わせた結果(「マップレイヤー」のタグで表示させるデータを選択して重ね合わせられる)]

演習課題

指定日に各班の代表が発表します。それまでに各班で共同で作業をするように。

  1. 各班で異なる標高データ(2次メッシュ)をダウンロードし、河川ネットワークを作成し、陰影起伏図の上に描画せよ。
  2. 斜面勾配が40°以上となる地域を抽出して、陰影起伏図の上に描画せよ。
  3. 降水量や河川の流量データ等、水文に関係するデータと、今回の学習で得られた地形解析結果を関連づけて解析したり、あるいはGRASSに実装されている他の水文関連の関数を使った解析したりし、その成果を報告せよ。

カラーテーブルを変更したDEM画像 水平方向に続くエッジの抽出結果
鉛直方向に続くエッジの抽出結果 水平・鉛直方向のエッジから計算した勾配
r.slope.aspectで求めた勾配 r.slope.aspectで求めた方位
陰影起伏図
(太陽高度45°、南東方向)
陰影起伏図
(太陽高度45°、南方向)
流下方向 累積ピクセル数
stream network basin
stream network(ベクター) stream network(ベクター)を
DEM画像に重ね合わせた結果

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須崎純一 京都大学大学院 工学研究科社会基盤工学専攻 空間情報学講座