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コンピュータリテラシー演習目次

IPアドレスとDNS

本日の講義では、みなさんが知らず知らずのうちにお世話になっている「IPアド レス」と「DNS」の仕組みについて学習します。講義の終わりには、

  1. IPアドレスとは何?
  2. DNSの役目は?

について確実に答えられ、他人に説明できるようになってください。

IPアドレス

「IPアドレス」という言葉に含まれているIPとは、Internet Protocolの略です。 Protocolとは、「取り決め」と訳されることが多く、ネットワーク上の通信に関 する約束ごとです。

各コンピュータ(以下、マシン)はスタンドアロン(単独)で使用している間は 特に問題ないので すが、インターネット上で他のマシンと通信(メールの送受信など)を行う 場合には様々な取り決めが必 要になります。データの形式などもそうですが、マシンの住所のような情報が必 要になります。手紙を考えてください。送り主と送り先の住所と名前を必ず書き ます。電話でも、相手の電話番号があるように、自分の電話にも番号があるので、 接続が可能となり、会話ができるわけです。

このマシンの住所または電話番号に相当するの が IPアドレスです。アドレス(address)とは英語で 「住所」という意味であることからも、IPアドレスの意味合いがわかります。

IPアドレスは32ビットで表現されますが、単に1と0の羅列だと人間にとっては覚 えにくいので、

202.26.148.14
192.168.0.0

などのように、0から255までの数字(8ビット)をピリオドを区切りにして4つ並 べた数字の列で表現されます。

また、冷蔵庫やテレビにもIPアドレスをつけてネットワー ク上で操作できるようにする研究が進められており、近い将来実現する見通しで す。このような流れもあり、このIPアドレスも不足すると予想されています。現 在のIPアドレスはバージョン4とよばれ、32ビット分なので約43億 (4.3×10^9) 個しかないのですが、128ビットに拡張した IPバージョン6(IPv6)が提唱され、 実験されています。 IPv6では、約3.4×10^38個と膨大な数のIPアドレスを用意できます。

DNS

上記でIPアドレスが何なのか大体わかったと思います。各マシンが持っている IPアドレスは数字の羅列なので、やはり覚えにくいことは確かです。そこで、 ネットワーク上でやりとりする場合でも、マシン名を使ってやりとりできるする ような仕組みが考えられました。マシン名のことをこれからホスト名と呼ぶこと にします。下表のように、

名前<-> 住所(または電話番号)
ホスト名<-> IPアドレス

と、名前と住所(または電話番号)との関係に似ています。 IPアドレスからホスト名を特定できる、また逆にホスト名から IPアドレスを特定できるような仕組みが作られています。 この仕組みがDNS(Domain Name System)と呼ばれており、 このDNSの働きを行うマシンをDNSサーバといいます。

WebブラウザでWebページを閲覧するときにも、このDNSサーバが働いています。 情報大のホームページのURL(Uniform Resorce Locator)である 「www.tuis.ac.jp」を、Webブラウザの「アドレス」に入力するとホームページ を閲覧することができます。これも背後で、ドメイン名から対応するIPアドレス (この場合は、情報大のWebサーバのIPアドレス)を教えてくれるDNSサーバの存 在が欠かせません。この関係の概念図を下記に示します。

   ________                      ___________ 
  |        |  (1)ドメイン名     |           |
  |        | ---------------->  |           |
  |        |  www.tuis.ac.jp    |           |
  | マシン |                    | DNSサーバ |
  |        |  (2)IPアドレス     |           |
  |        | <----------------  |           |
  |________|   202.26.157.12    |___________|
      |
      |
      | (3) 202.26.157.12への接続
      |
   ___________
  |           |
  |           |
  | WWWサーバ |
  |           |
  |___________|   例:Webブラウザで情報大のホームページをみるとき

実習:IPアドレスと名前の対応の調査

これから、コマンドを入力して、IPアドレスとホスト名の対応関係を調べていき ます。「2. hostname」以降では、赤字の部分を入力してEnterキーを押して 実行していきます。

  1. cmd.exeの起動

    「ファイル名を指定して実行」を選択 まず左図のように「スタート」ボタンをクリックして、「ファイル名を 指定して実行」を選択してください。すると、左下図のような画面が現れます。 ここで「cmd」と入力して、OKボタンを押してく ださい。「cmd.exe」というアプリケーションが起ち上がります。

    単にコマンドプロンプトを起動させても結構です。


    cmdと入力してOKボタンを押す
  2. hostname

    使用しているマシンのホスト名を表示してくれます。

    C:\>hostname
    pc2401
    
  3. ipconfig

    使用しているマシンのIPアドレスや、サブネットマスク、 デフォルトゲートウェイを表示してくれます。

    C:\>ipconfig
    
    Windows 2000 IP Configuration
    
    Ethernet adapter ローカル エリア接続:
    
            Connection-specific DNS Suffix  . :
            IP Address. . . . . . . . . . . . : 202.26.152.???
            Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.255.0
            Default Gateway . . . . . . . . . : 202.26.152.254
    

    より詳細を知りたい場合には、/allというオプションを 使用します。

    C:\>ipconfig /all
    
    Windows 2000 IP Configuration
    
            Host Name . . . . . . . . . . . . : pc2401
            Primary DNS Suffix  . . . . . . . :
            Node Type . . . . . . . . . . . . : Hybrid
            IP Routing Enabled. . . . . . . . : No
            WINS Proxy Enabled. . . . . . . . : No
    
    Ethernet adapter ローカル エリア接続:
    
            Connection-specific DNS Suffix  . :
            Description . . . . . . . . . . . : CNet PRO200WL Fast Ethernet Adapter
            Physical Address. . . . . . . . . : ????????????
            DHCP Enabled. . . . . . . . . . . : No
            IP Address. . . . . . . . . . . . : 202.26.152.???
            Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.255.0
            Default Gateway . . . . . . . . . : 202.26.152.254
            DNS Servers . . . . . . . . . . . : 202.26.148.14
            Primary WINS Server . . . . . . . : 202.26.???.??
            Secondary WINS Server . . . . . . : 202.26.???.??
    
  4. ping

    リモートのマシンが現在稼働中かどうか確認するために使用します。 pingの後に、ホスト名かIPアドレスを指定します。

    C:\>ping www.tuis.ac.jp
    
    Pinging grapevine.tuis.ac.jp [202.26.157.12] with 32 bytes of data:
    
    Reply from 202.26.157.12: bytes=32 time<10ms TTL=253
    Reply from 202.26.157.12: bytes=32 time<10ms TTL=253
    Reply from 202.26.157.12: bytes=32 time<10ms TTL=253
    Reply from 202.26.157.12: bytes=32 time<10ms TTL=253
    
    Ping statistics for 202.26.157.12:
        Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
    Approximate round trip times in milli-seconds:
        Minimum = 0ms, Maximum =  0ms, Average =  0ms
    

    もし稼働しているかどうか調べたいマシンが停止していると、下記のような メッセージが表示されます。(www.tuis.ac.jpは常に稼働していますが、 仮に停止している場合の状況です)

    C:\>ping www.tuis.ac.jp
    
    Pinging grapevine.tuis.ac.jp [202.26.157.12] with 32 bytes of data:
    
    Request timed out.
    Request timed out.
    Request timed out.
    Request timed out.
    
    Ping statistics for 202.26.157.12:
        Packets: Sent = 4, Received = 0, Lost = 4 (100% loss),
    Approximate round trip times in milli-seconds:
        Minimum = 0ms, Maximum =  0ms, Average =  0ms
    
  5. tracert
    1. www.tuis.ac.jpに対して
      C:\>tracert www.tuis.ac.jp
      
      Tracing route to grapevine.tuis.ac.jp [202.26.157.12]
      over a maximum of 30 hops:
      
        1   <10 ms   <10 ms   <10 ms  202.26.152.254
        2   <10 ms   <10 ms   <10 ms  192.168.150.253
        3   <10 ms   <10 ms   <10 ms  grapevine.tuis.ac.jp [202.26.157.12]
      
      Trace complete.
      
    2. www.edu.tuis.ac.jpに対して
      C:\>tracert www.edu.tuis.ac.jp
      
      Tracing route to www.edu.tuis.ac.jp [202.26.148.102]
      over a maximum of 30 hops:
      
        1  <10 ms  <10 ms  <10 ms  202.26.152.254
        2  <10 ms  <10 ms  <10 ms  ftpsvr.edu.tuis.ac.jp [202.26.148.102]
      
      Trace complete.
      
  6. nslookup
    1. www.tuis.ac.jpに対して(1): URL -> IPアドレス
      C:\>nslookup www.tuis.ac.jp
      Server:  dirac.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.10
      
      Name:    grapevine.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.12
      Aliases:  www.tuis.ac.jp
      
    2. www.tuis.ac.jpに対して(2): IPアドレス -> ホスト名
      C:\>nslookup 202.26.157.12
      Server:  dirac.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.10
      
      Name:    grapevine.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.12
      
    3. www.edu.tuis.ac.jpに対して(1): URL -> IPアドレス
      C:\>nslookup www.edu.tuis.ac.jp
      Server:  dirac.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.10
      
      Name:    www.edu.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.148.102
      
    4. www.edu.tuis.ac.jpに対して(2): IPアドレス -> ホスト名
      C:\>nslookup 202.26.148.102
      Server:  dirac.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.10
      
      Name:    ftpsvr.edu.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.148.102
      
    5. www.yahoo.co.jpに対して(1): URL -> IPアドレス
      C:\>nslookup www.yahoo.co.jp
      Server:  dirac.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.10
      
      Name:    www.yahoo.co.jp
      Addresses:  211.14.13.223, 211.14.13.224, 211.14.13.225,
                211.14.13.226, 210.81.150.166, 210.81.153.68,
                210.81.153.69, 210.81.153.70, 211.14.13.65,
                212.14.13.66, 211.14.13.222
      
    6. www.yahoo.co.jpに対して(2): IPアドレス -> ホスト名
      C:\>nslookup 211.14.13.66
      Server:  dirac.tuis.ac.jp
      Address:  202.26.157.10
      
      Name:    w12.yahoo.co.jp
      Address:  211.14.13.66
      
  7. cmd.exeの終了

    上記の内容が確認できたら、「cmd.exe」を終了させます。

    C:\>exit
    

    と入力して、Enterキーを押してください。

実習:IPアドレスを用いたWebページの閲覧

Internet Explorer上で「アドレス」という欄に、下記に表示された 通常のURLを入力して見てください。次に表の右側に示された、先ほど調べた IPアドレスの数字そのものを「アドレス」欄に入力してみてください。 同じ結果が表示されるか確認してください。

URL IPアドレス
www.tuis.ac.jp 202.26.157.12
www.edu.tuis.ac.jp 202.26.148.102

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本演習用Web教材は、平成13年度までに水谷正大教授が作成した教材に加え、 須崎純一、大城正典、大見嘉弘らが加筆、修正したものである。

mizutani@rsch.tuis.ac.jp, susaki@rsch.tuis.ac.jp, ohshiro@rsch.tuis.ac.jp,
ohmi@rsch.tuis.ac.jp (加筆,修正 2002年4月13日〜2003年7月10日)