Cygwin, ImageMagickのインストール

ImageMagickはWindowsのコマンドプロンプトでも動かすことができま すが、大量の画像の処理、少し複雑な処理を実現するために、UNIX環境を 実現するCygwinを利用することとします。 少し難しい概念も出てきますが、とりあえずCygwinが動くように設定 してみましょう。

Cygwinのインストール

インターネット経由でインストールする場合にせよ、 一度ローカルディスクにCygwinのパッケージを保存してからインストールするに せよ、まずはCygwinの ミラーサイトにアクセスし、最寄のサイトを選択しましょう。

ホームディレクトリの作成

自分自身の作業用ディレクトリを作成します。ディレクトリとは、Windowsでフォ ルダと呼ばれているものとほぼ同じ意味のものです。

  1. C:\cygwinの中にhomeというディレクトリを作成する。
  2. homeの中に自分用のディレクトリ(例えば、「susaki」など) を作成する。

Windowsシステムでの環境設定

Cygwinの起動に先立ち、必要な環境変数をWindowsのシステム上で設定します。 Windows2000/XPでの設定について説明しています。

「コントロールパネル」→「システム」→「詳細」→「環境変数」

をクリックして、下記の変数を入力してください。

変数
CYGWIN ntsec
HOME /home/susaki
MAKE_MODE UNIX
PATH /bin;/usr/local/bin;/usr/X11R6/bin
SHELL /bin/bash

入力の結果、下の図のように表示されるはずです。

Windowsシステムでの環境設定

.bashrcの作成

UNIXの世界では、個人ごとに便利な使い方を実現する環境設定ができます。 ここではbashというシェルを使用していますので、 .bashrcというファイルを作り、その中に様々な 設定を記述していきます。この.bashrcの見本を下記に示していますが、 HOMEの部分は自分のホームディレクトリに置き換えて ください。

作成したら、ホームディレクトリに保存してください (例えば、C:\cygwin\home\susaki)。

# Source global definitions
if [ -f /etc/bashrc ]; then
        . /etc/bashrc
fi

export SHELL=/bin/bash
export HOME=/home/susaki
export TMPDIR=/tmp
export TZ=JST-09
export MAKE_MODE=unix

PATH=/bin:/sbin:/usr/local/bin:/usr/local/sbin:/usr/X11R6/bin
PAGER=less
JLESSCHARSET=japanese-sjis
export PATH PAGER JLESSCHARSET

PS1="$HOSTNAME:\w$ "

if [ -n ${DISPLAY} ]; then
    export DISPLAY=localhost:0.0
fi

if [ ! -n "${TERM}" ]; then
    TERM=cygwin
fi

alias ls="ls -F --color=auto"
alias lsa="ls -al""

cygwin.batの設定

下記に書いてある文章は、インストールが不完全に終了した状態で設定を行った ときの様子について書いています。その後、再度インストールを試みましたが、 インストールが無事に成功した場合には、起動後に、環境変数HOMEで設定した ディレクトリ(ホームディレクトリ)に移動するのを 確認できました。

起動後は本来、環境変数HOMEで設定したディレクトリ(ホーム ディレクトリ)に移動しているはずなのですが、私が試した範囲では どうもうまくいきませんでした。したがって、cygwin.batを編集して、起動後に ホームディレクトリに行くように設定します。 赤字部分が変更部分ですので、下記のように編集してください。

@echo off

C:
chdir C:\cygwin\home\susaki

C:\cygwin\bin\bash --login -i

起動後の処理

上記と同様に、下記に書いてある文章は、インストールが不完全に終了した 状態で設定を行った ときの様子について書いています。その後、再度インストールを試みましたが、 インストールが無事に成功した場合には、起動後ログインし、 .bashrcが呼び出され、自分自身で設定した 環境が実現するのを確認できました。

上記と同様に、起動後は本来、上記で作成した .bashrcが呼び出 され、自分自身で設定した環境が実現するのですが、私が試した範囲では どうもうまくいきませんでした。ですから、「cygwin.bat」をダブルクリック してCygwinを起動した後に、

$ source .bashrc

と入力してください。これで.bashrcでの設定が機能します。

ImageMagickのダウンロード、解凍

ImageMagickのダウンロードのWebページ から、Windowsバージョンのファイルをダウンロードしてください。 「Windows Source」「Windows Executable」とありますが、普通に使用するので あれば、実行形式の「Windows Executable」を選択すれば良いでしょう。 ファイルはzip形式で圧縮され ていますので、ダウンロード後は解凍しましょう。その結果、「ImageMagick」 というフォルダができるはずです。

ImageMagickの実行ファイルの移動

ImageMagickの実行ファイルを移動します。PATHを適切に設定 すれば移動させなくてもすむのですが、ここでは移動させることで実行可能に するとします。

(移動元)「ImageMagick」→「VisualMagick」→「bin」の中の全てのファイ ル
(移動先)c:\cygwin\usr\X11R6\bin

ファイルを移動したら、ImageMagickの実行ファイルが正常に動作するか確認し ましょう。「cygwin.bat」をダブルクリックしてCygwinを起動した後に、

$ source .bashrc
$ convert   --help

と入力してみましょう。正常であれば、ImageMagickのconvertが呼び出され、 下記のようなhelpのメッセージが表示されるはずです。このようになれば、 ここまでの作業は成功しています。

SUSAKI1:~$ convert --help
Version: @(#)ImageMagick 5.4.6 06/01/02 Q:8 http://www.imagemagick.org
Copyright: Copyright (C) 2002 ImageMagick Studio LLC

Usage: convert.exe [options ...] file [ [options ...] file ...] [options
...] file

Where options include:
  -adjoin              join images into a single multi-image file
  -affine matrix       affine transform matrix
  -antialias           remove pixel-aliasing
  -append              append an image sequence
  -average             average an image sequence
  -background color    background color
  -blur geometry       blur the image
(以下、省略)

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須崎純一 京都大学大学 工学研究科都市環境工学専攻 環境情報学講座