星越明日香の近況報告

星越明日香

東京大学大学院 農学生命科学研究科 生圏システム学専攻 緑地創成学研究室
Laboratory of Landscape Ecology and Planning, Dept. of Ecosystem Studies, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo

近況の報告

東京大学国際学術交流活動等奨励事業の補助を受け、東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻緑地創成学研究室より2004年12月から2005年5月のJanuary Semester の間、AITに交換留学生として在籍した。在籍中はSchool of Advanced Technology (SAT)の、Remote Sensing & GIS Field of Study(FoS)に所属し、本多潔助教授に指示した。AITでは基本的なGISアプリケーションの学習及び関係各分野の講義に参加した。January Semester 修了後、2005年6月から11月末の予定でタイ国立チュラロンコーン大学建築学研究科ランドスケープ建築専攻に、同じく交換留学生として所属している。

現在はAITでの学習内容を念頭に、東京大学大学院復学後の修士論文執筆・提出に備えてフィールドでのデータ収集に努めている。調査準備、データ処理には、本多潔助教授をはじめとして、AITの学生から多分の協力を得ている。ほかに、AITの在籍期間修了後、2005年6月にAITと東京大学AGS研究会協働で開催されたサマーコース(Intensive Program on Sustainability; IPoS[東大のリンク][AITのリンク])に在タイのスタッフとして参加し、運営に参加した。

AITに在籍することの意義

AITは国際教育機関であり、当然ながら教授陣と学生の背景は、国籍のみならず、年齢、就業経験などどれを見ても非常に多様性にあふれている。また、学生同士のみならず、教授と学生の距離が近く、知的好奇心を刺激し満たせる環境であるといえる。このような環境下で得られた数多くの出会いは、様々な文化との交流体験のみならず、交流を通して、外向きに社交をするだけでなく、自分がどのように見られているのか、日本がどのように理解されているのかを感じ、内省する機会を同時に与えてくれる。

AITは修士課程以上の教育が行われているが、私自身がそうであったように、学生が必ずしも専攻分野に学問的な背景を持っているわけではない。必然的に学生同士で助け合ったり、教授や上級生に講義の解説を請うたりする。その過程で、英語の話し方の違い、お茶の飲み方、宗教、政治、研究や将来に話題が発展し、本題の勉強と行きつ戻りつしながら同級生と過ごすことがままあった。勉強を媒介に、「意見」をやりとりし、「異見」を受け入れるための内と外のバランス感覚を調整する訓練ができたと思う。  また、AITで得られたつながりは、勉強・研究上のみならず、人とのつながりがとても濃く、常に何かとの出会いと学びがある。チュラロンコーン大学に在籍する現在でも、研究上でAITとの接点があるのは前述の通りであるが、休暇を利用しての旅行や集まりでは、AITで知り合った友人を訪ねたり招いたりという交流が続いている。こうした小さな出来事の積み重ねは次の出会いを創出し、研究のみならず、生活全般を楽しみ考える場を演出していることを感じる。


[AITでの活動報告]
須崎純一 京都大学大学院 工学研究科社会基盤工学専攻 空間情報学講座