空間解析:バッファリング(一定距離圏の解析)の基本操作

このページでは、GISソフトの特徴の一つである「空間解析」に着目し、 その中の「バッファリング」の演習について説明しています。「一定距離圏」と 書いてありますように、例えば最寄りの駅からの距離を計算したりできます。 同様のことは、お店、病院などについても計算でき、空間的な位置関係を把握す る簡単な手法の一つです。

以下では、千城台駅からのバッファリングに関する実習を行います。その流れを 下記に示します。

  1. 千城台駅のみを選択
  2. 千城台駅からの距離に応じてバッファリング
  3. 特定のバッファに含まれるポイントデータのみを表示

上記の流れに基づいて、下記に具体的な手順を示していきます。実際に自分でも やってみましょう。

  1. 千城台駅のみを選択: 千城台駅のデータは、ポイントデータとして 「lm_stion_chiba」レイヤーに 含まれています。まずは、この千城台駅のデータのみ選択しましょう。選択できると 下記の画像のように、水色で表示されるはずです。

    (具体的な方法はいままでの演習内容を思いだそう。メニューバーの「選択」→ 「属性検索」を利用すれば実現できます。)

    千城台駅のみ選択した状態(拡大図)


  2. 千城台駅からの距離に応じてバッファリング: 千城台駅を選択した状態から、メニューバーの

    「ツール」→「バッファウィザード」

    を選択します。


    下記の図のように、「多重リングバッファ」を選択します。ここでは、 リング数は3、リング間の距離を500メートルとしますが、 一通り実演した後、この数字を適当に変更すると異なる結果が表示されます。 余力があれば変更してみましょう。


    バッファリングを実行すると、下記のような結果が表示されるはずです。

    バッファリング実行結果


    上記のバッファリングの結果では、下のレイヤーの情報が見えません。 したがって、下記の図のように凡例の色を斜線に変更しています。斜線に 限定しませんが、下のレイヤーの情報が見えるように、工夫して凡例の 色を変更しましょう。


  3. 特定のバッファに含まれるポイントデータのみを表示

    上記のバッファリングの結果、生成されたレイヤーの「属性テーブル」を 開くと、下記のように表示されます(リング間の距離が500mの場合の テーブルです)


    上記の「属性テーブル」の情報を元に、駅からの距離が500mより大きく、 1000m以下の範囲だけ選択させたいとします(リング間の距離が500mの場合)。 実行してみましょう。

    (具体的な方法はいままでの演習内容を思いだそう。メニューバーの「選択」 →「属性検索」を利用すれば実現できます。)


    上記のように属性検索で、駅からの距離が500mより大きく、 1000m以下の範囲だけ選択させているものとします(リング間の距離が500mの場合)。 この上で、メニューバーの「選択」→「空間検索」を開いて、下記のように 指定してみましょう。

    ※注意:下記の画像では「house」というデータが使用 されているが、実際には 「tm_mark_chiba」というデータを使用するように。


    空間検索を実行すると、駅からの距離が500mより大きく、1000m以下の範囲に含 まれるコンビニエンスストアだけが選択されます。

    空間検索の結果


演習問題

  1. 千城台駅から500m以上、1000m以下の直線距離に位置する 小学校を検索し、回答せよ。 (「tm_mark_chiba」データを使用すること)
  2. 千城台駅から500m以上、1000m以下の直線距離に位置する 公園を検索し、回答せよ。 (「tm_mark_chiba」データを使用すること)
  3. モノレールの全駅から500m以上、1000m以下の直線距離に位置する コンビニエンスストアを検索し、回答せよ。 (「convenience_store」データを使用すること)

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須崎純一 京都大学大学 工学研究科都市環境工学専攻 環境情報学講座