mv

「mv (move)」の基本的な機能は、ファイルを移動させる、ということですが、 ファイルの名前の変更にも使われます。一方、「cp (copy)」は文字通りファイルをコ ピーします。ここで、その2つのコマンドを取り上げるのは、構造がとても似ているか らです。 まず、現在いるディレクトリにどんなファイルがあるのか「ls」を使って確認します。

% ls -F
document1.txt image1.jpg program/

ここで、「document1.txt」というテキストファイルを「program」というディレクトリ に移動させます。そのためには、

% mv document1.txt program

と打ち込んでEnterします。つまり、

mv (何を) (どこに)

という構造です。

今度は、「program」というディレクトリの下に移動させられた 「document1.txt」を今の場所に戻します。現在いる場所は「.」で表現されることを利 用すると、

% mv program/document1.txt .

となります。さらに、この「document1.txt」を1つ上のディレクトリに移動させるとす ると、1つ上のディレクトリは「..」で表現されるので、

% mv document1.txt ..

となります。

この3つの使い方は、移動されたファイルの名前も「document1.txt」のままで変わりま せんが、例えば、移動するだけでなく「doc1.txt」という短い名前に変更したい場合、

% mv document1.txt program/doc1.txt

% mv document/document1.txt doc1.txt

% mv document1.txt ../doc1.txt

というように打ち込みます。

これを応用して、現在のファイル名を別のファイル名に変更することが可 能で、その場合には、

% mv document1.txt doc1.txt

とします。

cp

「cp」の構造も、「mv」と同じでして、

cp (何を) (どこに)

です。したがって、今いるディレクトリに「document1.txt」というファイルがあると 仮定します。「mv」の時と同様に、「document1.txt」を「program」というディレクト リの下にコピーするとすると、

% cp document1.txt program

この「document1.txt」を1つ上のディレクトリにコピーすると、

% cp document1.txt ..

となります。この2つの使い方は、コピーされたファイルの名前も「document1.txt」と なりますが、例えば「doc1.txt」という短い名前でコピーしたい場合、

% cp document1.txt program/doc1.txt

% cp document/document1.txt doc1.txt

% cp document1.txt ../doc1.txt

というように打ち込みます。

現在いるディレクトリに、別のファイル名でコピーするときにも同じやり方が可 能で、その場合には、

% cp document1.txt doc1.txt

とするだけです。


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須崎純一 京都大学大学 工学研究科都市環境工学専攻 環境情報学講座